妊娠したのは嬉しいんだけど・・・
「出産費用を国から貰う為にはどうしたらいい?」
「退院時の出産費用差額分をすぐに払えないんだけど・・・」
「産婦人科って保険が適用されないって本当?」
「帝王切開の出産費用が払えない場合どうしたらいいの?」
というような「出産費用」に関してお悩みを持っている方に対処法をわかりやすく解説していきたいと思います。
まず、突然ですが質問です。
出産には検診・検査・入院・手術・出産などありますが、どれ位のお金がかかるでしょう?
入院する病院によってだいぶ異なりますが、出産費用の相場は大体「70万円~100万円」と言われています。
この出産費用を支払う方法ですが、分割で支払う病院もありますが、全額一括で支払わなくてはいけない病院も・・・。
多くの場合は出産費用全額に対して、入院する前に前金として一部お支払いする形式があります。
これは出産費全額から前金を差し引いた金額を退院時に支払う形式です。
地方の場合、前金がなく退院時に全額支払う場合があるようですが、基本的には前金を必要とする形式が主流。
もし、この前金を払えない場合、どうなるのでしょうか?
多くの場合、入院を断られる事になります。
ですのでこの前金はどうにかして支払う工面をしなくてはなりません。
出産で「多くのお金がかかること」を知っている方は多いですが、ほとんどの方が妊娠してからいくらお金がかかるのか考えるようになります。
国の制度で出産一時金として「約40万円」ほどあとで支給されるのでそれを考慮して考えていきましょう。
出産一時金だけではなく出産や生活に関するいろいろな制度や貸付が存在します。
妊娠したけどすぐにお金が用意できない!どうしよう!
っと途方に暮れたりせず、きちんと下記の事を覚えておくようにしましょう。
出産費用の差額が払えない場合どうなる?
っとその前に、出産費用から前金を支払ったけど退院時の支払いが出来ない場合はどうなるのでしょうか?
退院時に出産費用を払えない事を伝えた場合、その病院では断られる可能性があります。
もちろん、払えないと言われた瞬間に「サヨウナラ」なんて事はありません。お金を工面する様々な方法をアドバイスしてくれるでしょう。
しかし、出産前に払えない事を病院側に伝えるなんて事は、どんな場合であれ言いたくないですよね。
このような場合は、出産後に貰える出産育児一時金をあてにし、親や親戚からお金を借りたり、銀行の出産用ローンなどで一時的に工面することをオススメ。
何度もお伝えしていますが、出産育児一時金は平均して40万円ほど支給されます。
ですから、実質持ち出しは30万円~60万円ということになります。
短期間の借入であれば、例え金利が14%ほどの銀行カードローンだったとしてもそれほど利息はかかりません。
たとえば、45万円を2ヶ月金利15%で借り入れした場合は合計で46万1千円。
つまり1万1千円の利息で済みます。
事情などにより、このような借入すら抵抗がある場合は病院の医事課に相談しに行くことがよいでしょう。
どうしても払えない場合は退院後にしてもらったり、分割支払いに応じてくれたりすることもあります。
詳しくはこちら
産休・出産など育児休暇でお金がないときの対処法
最近では、出産費用や治療費が払えないケース、とても多いんです。
場合によっては債権譲渡されてしまう可能性もありますので、払えない場合は絶対に放置せず、周りの助けをあおぎましょう。
帝王切開の出産費用が払えない場合どうなる?
ここ20年で帝王切開で分娩する事が2倍に増え5人に1人が帝王切開で生まれてきています。
理由としては、逆子であったり児頭骨盤不均衡・胎児モニターの異常・双子などがありますが、一番の理由は高齢出産など子供にとって安全な帝王切開を希望する妊婦さんが増えたこと。
医者としても自然分娩時のトラブルを回避するために、帝王切開を選択することです。
基本的に自然分娩でも帝王切開でも出産費用が掛かります。
帝王切開でも、そうじゃなかったとしても、支払いが困難だと思われる場合は事前に「出産一時金の申し込み」をすることが必要になってくるでしょう。
しかし帝王切開の場合は、保険が適用されます。
なぜならお腹を切るからです。
保険適用になる帝王切開は確定申告の際に申請する医療費控除による還付金や、ある一定の限度額以上になった際は越えた分が戻ってくる「高額療養費制度」なども利用可能になります。
帝王切開をする事でお腹にコンプレックスを持たれる女性も多くいますが、保険が適用されることで金銭的に楽になるだけでなく、自然分娩に比べて生まれる子供のストレスが減るので自然分娩よりも安全だというお医者さんも多いんです。
話はそれてしまいましたが、確定申告がともなう医療費控除を利用するのにわからない場合は、税理士などの専門家だけではなくこの手の相談を多く受けている看護師さんや自分の母親などに相談するようにしましょう。
出産費用の退院時に払えない場合は?
さて無事に出産は出来たものの、入院が長引いてしまうなんていうこともよくあります。
自然分娩なら2日~3日ほどで退院という事もありますが、帝王切開の場合は5日以上入院する場合もあるんです。
様々な理由で長く入院する事になり、想定より多く費用が掛かってしまったりした場合はどうすればいいののでしょうか?
退院時に困らないよう、あらかじめ出産育児一時金の申請・利用することはもちろんのこと、親戚や親に借りてなんとか工面することが望ましいでしょう。
しかし、親戚や親に借りられないという方も多くいます。
このような場合、金融機関による多目的方式ローンで借り入れるか、これから紹介していく貸付制度を利用することがオススメです。
出産費用が払えない時の対処法
大事なことは「費用がわかった時点」ですぐに申請や手続きを行うこと。
それでは便利な貸付や制度について紹介していきましょう。
出産育児一時金直接支払制度
出産一時金直接支払制度とは補助金のような制度です。
この制度は健保から病院へ支払われるもので、妊娠85日以上で生まれた場合に約40万円ほど支払われる制度の事。
出産費用は基本的に保険適用外のため、その負担をサポートするための制度です。
ちなみに、双子(多胎)の場合はその人数分支給されます。
この制度は事前に申請する方法と産後申請の二種類。
産後申請は全て支払いなどが済んだ後にする為、出産費用に余裕がある場合やクレジットカードが病院で使える場合などに利用される方が多いです。
この制度はのちほど説明する、「出産育児一時金」が出るまで利用が出来るという事も覚えておきましょう。
受取代理制度
受取代理制度とは、本来被保険者が受け取るべき出産育児一時金を、医療機関に指定することで、本来払うはずであった出産費用との差額で済むようになる制度です。
この便利な制度は既に紹介した直接支払制度とは異なり、利用するには協会けんぽへの事前の申請が必要となります。
ほとんどの場合は前者の直接支払制度ですが、小規模届出医療機関などの場合には受取代理制度です。
医療機関によって異なりますので診察時に担当医へ早めに確認しましょう。
生活福祉資金貸付制度
生活福祉資金貸付制度とは都道府県社会福祉協議会が運用する制度。
障碍者や高齢者、そして他から借り入れすることが極めて困難な人にのみ利用する事が出来る借り入れ制度です。
資金の種類はその要因によってたくさんの種類があり、出産や治療の場合は総合支援資金もしくは福祉資金として借り入れることができます。
金利においては連帯保証人をつける場合は無利子、つけない場合でも年利1.5%とh他の借入方法に比べて非常に低い金利で借りることが可能です。
消費者金融のローンは18%、銀行のカードローンでも14%以上と、高金利になるので返済ができず、借金地獄に陥ってしまう事が多いでしょう。
消費者ローンに比べれば煩雑さは大きいでしょうが、困ったらまずはこの制度の相談する事をオススメします。
出産費用資金貸付制度
出産費用資金貸付制度は、協会けんぽの制度で出産育児一時金が出るまでの間に、その出産一時金の見込み額の8割相当分が無利子で借り入れできるという制度です。
そのため出産育児一時金が支給された場合はその出産育児一時金で返済することが条件となっております。
この間にそれでも足りないようなことがあれば、差額の2割分をカードローンなどと併用することでしのぐのも賢い使い方かもしれません。
なおこの制度が受けられる者は出産予定日まで1ヶ月以内の方、妊娠4ヶ月以上で病院に一時的に支払いする必要がある方に限ります。
そしてその対象者は出産費貸付借用書、被保険者証、出産育児一時金申請書、出産の状況がわかる書類、医療機関からの請求書を揃えて協会けんぽに申し込みます。
まとめ
出産費用が払えない場合や、前金・帝王切開手術の費用がない場合、退院時に費用が払えない場合などで親や親戚に借りれない場合は安易に高金利のカードローンなどを利用したりせず、
- 出産育児一時金直接支払制度
- 受取代理制度
- 生活福祉資金貸付制度
- 出産費用資金貸付制度
このような制度をうまく使って対処していきましょう。
カードローンなどに比べると手続きに少し手間がかかったりしますが、後々これらの制度を使ってよかったと思うはずです。
出産、頑張ってくださいね!